海沿いの道を走っているとビルの横にぽっかりと
抜けた空間があって住宅にしては広い駐車スペース
のその後ろに平屋のごく目立たない?と思って
過ぎ去ろうとしたら、緑の屋根だったので、んっ?
としてよくみると、屋根が緑化してあったのでした。
住宅雑誌などではたまにみるのですが実際には
めったにみないのでしげしげと眺めてみました。
すると、壁も珍しく版築でした。南側なのに
窓がないので妙だなと思いましたが、
奥を見るとかなり奥行きがあり
どうやら中庭で光や風を取り入れ
ているようでした。
また、隣のマンションとは対照的なこの低さ。
朝は完全に日陰になりそうですが
夏は日除けになっていいですね。
何といっても日本の夏の暑さは
湿度が原因です。
湿気が75%超えの不快日が30日
近くもあるので温度以上に
この湿度をなんとかせねば。
家づくりの肝はこの湿度調節です。
しかし、「家の作りやうは、夏をむねとすべし。
冬は、いかなる所にも住まる。
暑き比(ころ)わろき住居(すまひ)は、
堪へ難き事なり」。
よく知られた吉田兼好の「徒然草」の一節で
日本人の心にすっと受け入れられる
名句ではあるが、実際のところはどうなのだろうか。
実際は冬の寒さ対策の断熱と採暖が重要で
かつ調湿が必要です。断熱は夏も有効で
なるべくなら調湿、断熱をしっかり考えた
工法や、材料で仕上げて太陽熱を
住宅内に入れないほうが良いのです。
風を入れるために窓をあけると
湿気も熱も入ってきます。
これは条件を考えて、適度に通風を
することだけに留めて
熱と湿気の調節を心がけましょう。
人間ほど暑さに強い動物はいないほどだそうですが
逆に体毛の少ない分、寒さには
他の動物に比べてもさほど強くないのです。
この家のように屋根の緑と版築の土壁が断熱、
調湿を施しているのは理にかなっているなと思います。
下の家は先ほどの家からほど近い場所の
まさに海沿いに建ってました。
安藤忠雄設計の住宅でコンクリート打ち放しです。
よく住宅雑誌ではみかけます。
隣にそっくりの木造の住宅があったのですが
それはもう解体されてありません。
が、そのかわりに海に向けてくつろげる
デッキ兼階段屋根の建物がありました。
これはもう住むには不便なところもあるのでしょうし、
当然コンクリート打ち放しは
夏熱く、冬寒いというのはよく知られたところですが
それとは違うところで人間には大切な何かを感じさせる
ものがある住宅としてまた、ひとそれぞれ考えて家づくりを
進めればよいと思います。これは店か何かよくわかりませんが海に向けて
気持ちよさそうですね。
いつできたのかわかりませんが、
隣に建ってました。
<スポンサーリンク>